2009 Fiscal Year Annual Research Report
材料組織制御による高温作動型形状記憶セラミック材料の開発
Project/Area Number |
20760508
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
井 誠一郎 National Institute for Materials Science, ハイブリッド材料センター, 主任研究員 (60435146)
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Keywords | ジルコニア / マルテンサイト変態 / 結晶粒界 / 透過型電子顕微鏡 / ドーパント / 粒界工学 / 衝撃固化成形 |
Research Abstract |
ジルコニアは,冷却に伴い立方晶から正方晶,単斜晶へと逐次相変態を起こすことが知られている.また,1000℃近傍で生じる正方晶から単斜晶への相変態は,マルテンサイト変態であることもよく知られている.多くの研究者は,立方晶および正方晶を利用した組織制御によるジルコニアの高強度化あるいは高機能化を目指した材料開発を行っているが,本研究では正方晶-単斜晶のマルテンサイト変態を利用した材料開発を試みている.本年度は,昨年度に調査した純ジルコニア粉末を原材料として,火薬の爆発に伴い生じる衝撃エネルギーを利用した衝撃固化成形実験による純ジルコニアバルク体の成形を試みた.円盤状試料の作製が可能な衝撃圧力装置を利用し,火薬量等実験条件を調整することにより衝撃圧力を系統的に変化させた衝撃固化実験を行ったところ,完全なバルク体の作製までは至らなかったものの,部分的な純ジルコニアの固化成形に成功した.本結果は,衝撃圧力のみならず,衝撃圧力の付与方向にも固化成形が強く依存していることを示しており,今後の実験装置の改良で上記難焼結性の純ジルコニア粉末の固化成形が衝撃圧力を利用することで達成できることを示唆する結果であると考えている.また,部分的ではあるものの固化成形に成功したジルコニア粉末には,高い衝撃エネルギーが付与されていることから,その後の焼結も低温で可能となることを予測しており,焼結挙動等さらなる調査が今後の検討課題として明らかとなった.
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