2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ分子集合体を用いた液液抽出による機能性核酸の塩基配列特異的分離法の開発
Project/Area Number |
20760515
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丸山 達生 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (30346811)
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Keywords | 溶媒抽出 / 核酸 / 選択性 / 生産 / 非水系 / ミセル |
Research Abstract |
本研究では、スケールアップの容易な液液抽出法のアプリケーションとして核酸を標的とし、液液抽出法による機能性DNAやRNAの塩基配列特異的分離精製技術の確立を目的としている。核酸(DNA、RNA、PNA)の選択的液液抽出を達成するため次の2つの工夫を取り入れた。まず、水溶性生体分子であるDNA類を有機溶媒に抽出するために、有機溶媒中に形成される界面活性剤ナノ分子集合体(逆ミセル)を用いた。また抽出における塩基配列選択性を付与するためにDNA界面活性剤を用いる。このDNA界面活性剤は、脂肪酸とDNAを結合させた界面活性剤様分子で、液液界面やミセル表面に配向することが既に明らかになっている。このDNA界面活性剤を、逆ミセルに導入することで、DNA界面活性剤と相補的なDNAのみを逆ミセルに取り込み、結果的に対象DNAのみを有機相へ溶媒抽出するという仕組みである。検討した結果、このDNA界面活性剤と逆ミセルを用いることで、相補鎖DNAを有機溶媒中に抽出することに成功した。DNA界面活性剤作製に用いる脂肪酸を様々検討した結果、オレイン酸を用いた際に最も高い抽出効率が得られることが判明した。また抽出媒体を数種検討した結果、イソオクタンを用いた際に最も高い抽出効率が得られるととが明らかになった。逆ミセルの物理的サイズと抽出効率、および有機溶媒中への可溶化水分量と抽出効率の関連性を調べたが、明確な相関はなかった。
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