2008 Fiscal Year Annual Research Report
素反応シミュレーションを援用した芳香族化合物含有ガス改質反応機構の解明
Project/Area Number |
20760518
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
則永 行庸 Hokkaido University, エネルギー変換マテリアル研究センター, 准教授 (00312679)
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Keywords | 化学工学 / 反応工学 / 数値シミュレーション / 反応速度論 / 素反応 / 芳香族化合物 / 水蒸気改質 / スス生成 |
Research Abstract |
本研究は, 石炭・バイオマスのガス化やコークス製造プロセスで発生するタールと総称される多環芳香族化合物を含むガスの気相熱分解, 部分酸化, 水蒸気改質反応を高精度に予測できる素反応速度モデルの構築を目的とする. さらに, 水素から多環芳香族まで反応性の異なる多様な化合物を含んだ複雑な混合物の改質反応機構を分子レベルで理解することにより, タール分解の困難さを克服し, 高効率改質・クリーンガス化のためのプロセス設計指針を提案することを最終目的とする.そこで, 石炭・バイオマスガス化ガスやコークス炉ガス改質反応の解析に素反応速度モデリングを他に先駆けて応用する. 本年度は燃焼科学分野で構築されてきた既存の素反応機構の妥当性を検証し, 予測精度の高い素反応速度モデルを構築することを目指し, 管状流通系反応器を用いたタールモデル化合物であるベンゼン, トルエンおよびナフタレンの水蒸気改質反応実験を, 水素ラジカルからコロネンまでの257の化学種を含み2216(逆反応も含む)の反応からなる詳細反応速度モデルと流れ方向の壁温度プロファイルを考慮できるプラグ流モデルを連成してシミュレーションした. その結果, 本反応機構により芳香族化合物の水蒸気改質反応における生成物分布を非常に正確に予測できることを明らかにした. またこの予測精度は多環芳香族化合物やアセチレンなどからの炭素析出反応を考慮すればさらに向上する可能性があることを明らかにした. また, 感度解析や反応経路解析を実施して, タール改質において鍵となる重要な素反応の抽出や芳香族化合物の分解反応経路を明らかにした.
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Research Products
(7 results)