2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波による酸化チタン触媒ヒドロキシルラジカル生成速度の精密評価法の開発
Project/Area Number |
20760519
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 正樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (50323069)
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Keywords | 新規反応場 / 超音波 / ヒドロキシルラジカル / スピントラップ法 / スピンアダクト / 速度解析 |
Research Abstract |
本研究では、スピントラップ法の改良により、超音波照射下において酸化チタン粒子の触媒作用によって生じるヒドロキシルラジカルの生成速度を厳密に評価する手法を確立することを目的とする。前年度、酸化チタン粒子を添加しない系において、スピンアダクトの生成・分解速度論モデルを構築し、スピンアダクトの生成速度を分割して評価することで、ヒドロキシルラジカルの生成速度の厳密な評価法を確立した。また、酸化チタン粒子添加系において、スピントラップ剤が酸化チタンに吸着してヒドロキシルラジカルと反応することを明らかにした。本年度は、まず、前年度の知見に立脚し、実験的検討をさらに行った。その結果、生成したスピンアダクトの酸化チタン粒子への吸着ならびに分解反応が無視できないことを明らかにした。また、酸化チタン粒子表面の方が、バルク中よりも、ヒドロキシルラジカルの生成速度が高いことを明らかにした。さらに、スピンアダクト生成速度に及ぼす酸化チタン粒子添加量ならびにスピントラップ剤の影響を検討した。次に、これらの実験的知見に基づき、スピントラップ剤および生成スピンアダクトの酸化チタン粒子への吸着をラングミュアー・ヒンシェルウッドモデルで評価し、スピントラップ剤の消費およびスピンアダクトの生成・消費を考慮した速度論モデルを構築した。本モデルによって、超音波照射下において酸化チタン粒子の触媒作用によって生じるヒドロキシルラジカルの生成速度を厳密に評価することが可能になる。
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