2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスの相互作用に着目した熱分解・ガス化反応機構と速度の解析
Project/Area Number |
20760520
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伏見 千尋 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 助教 (50451886)
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Keywords | バイオマス / 再生可能エネルギー / 水素 / 化学工学 / エネルギー全般 / 熱分解 / ガス化 |
Research Abstract |
低温でのバイオマスのガス化で問題となっているタール生成について、その反応機構ならびにタールの発生抑制や分解促進に関する知見が重要となる。本研究では、バイオマス熱分解・水蒸気ガス化において、まず、揮発物質とチャーの接触時間を制御できる粒子落下式/固定層熱天秤の二段反応器を開発し、揮発物質がチャーのガス化へ及ぼす影響を調べた。揮発物質として水素及びタールに着目した。その結果、 1) 水素分圧が高いほどチャーのガス化阻害効果は大きいこと 2) ガス化阻害の反応機構としては、反応初期における吸着酸素の還元反応と、反応後期におけるチャー表面への解離吸着が考えられること 3) 接触するレボグルコサン量が多い(250mg/min)時、チャーのガス化阻害効果が大きいこと 4) ガス化阻害の原因として、タールの分解により生成する水素の影響だけでなく、レボグルコサンやその誘導体がチャー表面に吸着する可能性が考えられること 5) レボグルコサンにはガス化反応を停止させるほど阻害効果が大きいことを明らかにした。 さらに、アルカリ金属およびアルカリ土類金属(AAEM)が揮発分の生成と放出に与える影響について連続十字流移動層型微分反応器を用いて調べた。その結果、 6) AAEMにより、セルロース由来の水溶性タールの生成が促進されること 7) AAEMにより、非水溶性タールの生成量が増えること 8) 高温ほどナトリウムのタール分解への触媒作用が大きいことを明らかにした。
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