2008 Fiscal Year Annual Research Report
超音波照射下におけるマイクロバブルの挙動を利用した新規反応プロセスの開発
Project/Area Number |
20760524
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 大祐 Keio University, 理工学部, 助教 (30453541)
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Keywords | 超音波 / マイクロバブル / フェノール分解 / 酸化チタン |
Research Abstract |
超音波とマイクロバブルを併用した化学プロセスの構築のために、まず超音波照射下におけるマイクロバブルの動的挙動を拡大視野下において高速度ビデオカメラを用いた可視化により解析を行った。その結果、マイクロバブルは超音波照射下において第2B jerknes力により波の腹、もしくは節から斥力が働き凝集するが、気泡表面の帯電などによる反発力により合一することはなかった。一方、凝集体の大きさに超音波周波数が影響していることも明らかとなった。 次に、超音波間接照射法を利用した反応プロセスのモデルケースとしてフェノールの分解を行い、高速液体クロマトグラフィーを用いてフェノール濃度、および生成物濃度の経時変化の測定を行い、反応器の設置位置が分解速度や分解生成物の種類などにおよぼす影響を調べた。その結果、振動子からの距離に対して分解速度が速い位置と遅い位置が交互に存在することが明らかとなった。また、照射距離が超音波による反応器内部へのエネルギー投入量や化学的効果におよぼす影響をカロリメトリー法、およびKI法により測定した。その結果、これらの効果を表す指標と分解速度の間に相関が確認され、超音波分解効率を見積もるための有効な指標であることを明らかにした。さらに、酸化チタン粒子を添加し、超音波照射によるフェノール分解を行った結果、UV照射なしにおいても分解速度が向上し、低分子化合物にまで分解が進行することが明らかとなり、環境負荷低減の可能性を見出した。
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