2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波によるコア/シェル型ナノ粒子担持光触媒の調製と触媒機構の解析
Project/Area Number |
20760525
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水越 克彰 Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (60342523)
|
Keywords | 光触媒 / 合金ナノ粒子 / 超音波 / 助触媒 / コア・シェル構造 / 金 / パラジウム / 二酸化チタン |
Research Abstract |
二酸化チタン等の光触媒に期待される機能の多くは光励起によって生じる電子と正孔に由来するが、電子と正孔の多くは利用されること無く再結合することで活性を失う。この解決策として、電子を蓄積し再結合を防止する「助触媒」となる白金等の貴金属のナノ粒子を光触媒の表面に固定化することが有効であることは広く知られている。本研究では、助触媒として固定化した金とパラジウムからなる合金ナノ粒子が、二酸化チタンの光触媒性能に及ぼす影響について調査を行った。これまでに主として超音波還元法を用いて同組成の金およびパラジウムより構成される合金ナノ粒子を異なる形態で二酸化チタン表面に固定化し、その光触媒活性を比較したところ、金・コア/パラジウム・シェル型にて固定化した試料が、可視光線照射時にエタノール水溶液からの水素発生反応に対して高活性を示すことを見出した。 また金/パラジウムの比率に対する光触媒活性依存性を調査したところ、紫外線、可視光線、いずれを照射した際も、パラジウム75mol%-金25mol%のコア・シェル粒子を固定化した二酸化チタンが高光触媒活性を示した。類似の組成(パラジウムの割合が75-80mol%)がこのような「最適値」を示すことは、金・パラジウム合金ナノ粒子を(光触媒の助触媒ではなく)通常の触媒として使用した際にも報告されていることは興味深い。またX線光電子分光法ならびに拡散反射法による紫外可視分光スペクトルの測定より、合金ナノ粒子の担持による二酸化チタンのバンド構造の変化、あるいはバンドギャップの狭窄化が示唆され、これが可視光線照射時の活性発現に寄与していると考えられた。
|