2008 Fiscal Year Annual Research Report
高結晶性遷移金属オキシナイトライド微粒子の合成と水分解光触媒系の構築
Project/Area Number |
20760526
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 剛 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 講師 (80334499)
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Keywords | 光触媒 / エネルギー変換 / 水素 / 水分解 / オキシナイトライド / フラックス法 / 微粒子 / ドーピング |
Research Abstract |
可視光応答性を有する遷移金属オキシナイトライドの光触媒機能向上を目的とした研究を行った。そのアプローチとして、粒子サイズ、組成の均一性や結晶性などの触媒粒子の状態を改善することに主眼を置き、合成方法の改良と手法の確立を行った。具体的にはフラックス法を検討し、窒化の際にNaClやNa2CO3を添加することで、結晶の熟成を行った。その結果、サブミクロン程度の結晶性のオキシナイトライド微粒子が粒子間で凝集することなく単離した状態で得られることが見出された。幾つかの光触媒反応系ではフラックス法で合成したものは、従来の固相法に比べ高い光触媒活性を示した。この主な効果は、格子欠陥の低減による再結合の抑制と粒子径が減少したことによる、キャリアの表面への到達が容易になったことと思われる。最初はTa3N5やBaTaO2Nといった組成がシンプルのものから始めたが、多成分系への拡張も続いて行った。Ta3N5中に価数の異なる金属を導入することで光触媒活性が大きく変化することを見出した。その効果について詳しく検討したところ主金属成分に対して低原子価の金属カチオンを導入すると水素生成活性が向上し、高原子価の金属カチオンを導入すると酸素生成能が向上することが分かった。これは固体中のドナー密度が変化することで粒子の帯電具合が変改し、バンド位置がシフトするものと考えられる。初年度の研究で触媒粒子の調製方法の確立と、固体物性の変調手法を見出すことができた。これらを用いて可視光水分解系の構築を行っていく。
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[Presentation]2009
Author(s)
高田剛、堂免一成
Organizer
第89回日本化学会春季年会
Place of Presentation
日本大学船橋キャンパス
Year and Date
2009-03-28
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[Presentation]2008
Author(s)
高田剛、堂免一成
Organizer
第102回触媒討論会
Place of Presentation
名古屋大学
Year and Date
2008-09-26
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