2008 Fiscal Year Annual Research Report
中温作動形燃料電池のための新規電極触媒の開発および電極/電解質界面の構築
Project/Area Number |
20760529
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 敏明 Kyoto University, 工学研究, 講師 (90378802)
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Keywords | 中温作動燃料電池 / 電極触媒 / 酸化物担持貴金属触媒 / 金属-担体間相互作用 / 電極電解質界面 |
Research Abstract |
150-300℃で作動する個体電解質形燃料電池のための新規電極触媒(アノード・カソード)の開発および設計指針の確立を目指し、本年度は水素侵入型酸化物を担体に用いた酸化タングステン担持白金触用媒(Pt/WO_3)を検討した。本触媒はアノードとじての使用を想定しているため、200℃で還元処理した触媒を固体電解質に塗布して電池を作製し、白金担持量の水素酸化活性への影響を200℃において評価した。30wt.% Pt/WO_3と40wt.%Pt/Cの活性を比較したところ、Pt重量当たりの活性はPt/Cの方が高かったが、Ptの電気化学的表面積当たりの活性はPt/WO_3の方が高かった。一方、5wt.% Pt/WO_3と5wt.% Pt/Cの活性を比較すると、いずれの評価方法を用いてもPt/WO_3の活性が高いことが明らかとなった。 これはPtの担持量が少ないことでWO_3担体上にPtが高分散されていることに加え、WO_3による水素酸化反応が大きく寄与した結果と考えられる。次に、Pt/WO_3触媒に200℃または400℃で還元処理を施し、触媒活性の改変を試みた。使用した触媒は5wt.%Pt/WO_3である。Ptの電子状態は還元処理温度に影響を受けなかったが、400℃還元処理によりWO_3担体中のWの一部分5価に還元されることが明らかとなった。これに対応して、X線回折パターンにも変化が見られた。各温度で還元処理した電極の水素酸化活性を200℃において比較したところ、Pt重量当たりの活性は同程度であったが、Ptの電気化学的表面積当たりの活性は400℃で還元処理した試料の方が高かった。これらの結果から、部分的に還元した酸化タングステンを担体に用いて、Ptを高分散状態にすることができれば、Pt使用量を更に低減できる可能性あることが明らかとなった。
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