2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオエタノールの効率的生産を目指したスーパー酵母の育種
Project/Area Number |
20760538
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
仁宮 一章 Kanazawa University, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10379125)
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Keywords | バイオエタノール / 酵母 / 代謝進化工学 / 転写因子 / FACS |
Research Abstract |
セルロース系バイオマスからのエタノール生産におけるコストを低減するため、スーパー酵母の育種を行う ; すなわち、セルロースからエタノールへのbio-conversionにおける律速段階である「細胞表層のセルロース糖化酵素発現量」や「エタノールストレスに対する耐性」の劇的な向上を目的とする。スーパー酵母の育種には、ある特定少数の遺伝子発現量を調節するのではなく、遺伝子発現プロファイル全体を改変する。そのために、大規模な遺伝子発現を制御する機能をもつタンパク質(基本転写因子)の遺伝子spt15に着目し、Error prone PCRとHigh-throughput screening技術、そしてGene shufflingといった進化工学的手法を用いてspt15遺伝子配列を合目的的に改変する。その結果として、遺伝子発現プロファイル全体が再構成され、酵母の形質は劇的に向上する。 本年度は転写因子変異酵母ライブラリーの作成を行なった。本研究では、酵母Saccharomyces cerevisiae MT8-1株に対して、セルロース分解に必要な3種の酵素 ; endoglucanase II(以下EGII), cellobiohydrolase II(以下CBH II), β-glucosidase(以下BG)を表層発現するための3種のプラスミドを組み込んだ株(以下MT8-1-III)を親株として用いた。転写因子に様々な変異をもつ酵母集団を作成するため、まずMT8-1株由来の野生型spt15遺伝子に対してerror prone PCRによるrandom mutagenesisを行い、ランダムに塩基置換が導入された変異型spt15遺伝子群を調整した。これを酵母発現用YCp型ベクターpRS315Tにクローニングすることにより転写因子変異遺伝子ライブラリーを調整し、さらにMT8-1-IIIに導入することにより転写因子変異酵母ライブラリーを作成した。
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Research Products
(4 results)