2009 Fiscal Year Annual Research Report
背面観測型感温塗料と逆解法による高エンタルピ流による空力加熱率の高精度推算
Project/Area Number |
20760545
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 大樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70360724)
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Keywords | 空力加熱率 / 感温塗料 / 背面観測 / 高エンタルピ / 逆解法 |
Research Abstract |
本研究は、大気圏再突入のような自己発光を伴う高エンタルピ流れにおいて高精度な空力加熱率予測をするために、新たな計測手法の提案を行うものである。そのアイディアは、物体の表面の温度分布を計測する従来の方法から発想を転換し、物体の内部(背面から)観測を行うことで、空力加熱率分布を算出する方法である。具体的には、模型を薄板で構成しその内面に、感温塗料(TSP)のコーティング膜を施し、模型が空力加熱を受けるときの温度上昇を内面から画像として計測する。この方法では、外部気流の自己発光の影響を一切受けないので、温度履歴の光学画像が時系列データ(空力加熱率の算出)として得られる。しかし、一方で、物体背面からの観測には、物体(模型)の持つ熱容量がローパスフィルタとして働くという欠点がある。この点を、温度分布の計測値から熱流束を逆に推定する、いわゆる逆問題解法を用いて補う。感温塗料(TSP)と逆問題解法を組み合わせた計測法は過去に例がなく、高負荷の熱流束を計測する手法として極めてユニークだと言える。 今年度は、極超音速風洞を使用して,圧縮コーナー模型の表面上の熱流速分布計測を行った.ただし,今年度は高精度推算のための予備試験と位置付け,前面に流入する熱流束分布を模型の材質,TSP膜厚,通風時間などを変えて,計測における最適な条件の選出を行った.試験では,極超音速流中に置かれた圧縮コーナー模型周りの衝撃波/衝撃波干渉、衝撃波/境界層干渉などの複雑な流れ場によって生じる模型表面への流入熱流束をTSPによって計測し、その熱流束計測技術を評価した.結果として,現状の熱流束算出には,模型材質はセラミックなどの断熱材が適し,またTSP膜厚は通風時間が秒オーダーの場合,計測精度にあまり依存しないことがわかった.今後は,この表面熱流束結果を基準に背面観測による手法の評価を行っていく予定である.
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Research Products
(17 results)