2008 Fiscal Year Annual Research Report
インフレータブル可変形状部材によるゴッサマ適応構造システムの研究
Project/Area Number |
20760547
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仙場 淳彦 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (60432019)
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Keywords | 適応構造 / インフレータブル / 形状記憶ポリマー / 展開構造 |
Research Abstract |
ゴッサマ構造物は, 薄膜, ケーブル, メッシュ等の軽量構造部材から構成され, 面・体積密度の極めて小さい構造物である. 例として, 宇宙インフレータブル構造物やソーラーセイルなどが検討されている. インフレータブル構造物は, 気体封入による膨張展開後に膜面の硬化を行い, スペースデブリ等の衝突に対する耐久性を補うことが検討されてきた. しかしながら, 長期運用、軌道上建設、超高精度指向制御などの高度なミッション要求に対応していくためには, 軌道上における応力制御および形状調整等の適応性が今後重要になると考えられる. そこで本研究では, 軌道上展開後に形状制御可能なインフレータブル構造要素を提案し, いくつかの概念検討およびそれらを実現するための形状記憶ポリマーの応用法に関する検討を行った. 形状記憶ポリマーは, 軽量性, 加工性, 大きな形状回復率等から宇宙構造物への応用が注目されており, 温度制御により, インフレータブル構造の一部を伸縮させることが可能と考えられる. 今年度は, 形状記憶ポリマー溶液を樹脂メッシュ材料に浸し硬化することにより製作した複合材等の試作を行った. また, 形状記憶ポリマーと金属スプリングの複合化により, バネ力と形状記憶ポリマーの剛性の相対関係をガラス転移温度前後の温度調整により変化させることで, 様々な長さや形状に変化させることが出来, かつ, ガラス転移温度下への冷却時は形状固定できる部材の試作を行った. これらの概念検討および試作結果から, 形状記憶ポリマーを用いたゴッサマ適応構造物の可能性が示された.
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