2010 Fiscal Year Annual Research Report
インフレータブル可変形状部材によるゴッサマ適応構造システムの研究
Project/Area Number |
20760547
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仙場 淳彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60432019)
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Keywords | 形状記憶ポリマー / 展開構造 / ゴッサマ構造 / インフレータプル / 適応構造 |
Research Abstract |
薄膜,ケーブル,メッシュ等の軽量構造部材から構成され,面・体積密度の極めて小さいゴッサマ構造物の長期運用,軌道上建設,超高精度指向制御などの高度なミッション要求に対応していくためには,軌道上における応力制御および形状調整等の適応性が今後重要になると考えられる。H22年度は、ゴッサマ構造システムの適応性の要となる構造制御用アクチュエータの形態の提案およびその検証を行った。本研究で提案するアクチュエータの材料として、H21年度に引き続き形状記憶ポリマを用いた。形状記憶ポリマを用いることにより、従来の展開構造に用いられてきた弾性ヒンジやガス内圧などを用いることなく、材料自体の形状固定および形状回復性を利用して、単純かつ信頼性の高い自己展開構造の実現性を見出した。また、提案された形態に基づく可変構造モデルの試作結果より、形状記憶ポリマ製アクチュエータとフィルムや膜との統合による自己展開構造の実現においては、形状記憶ポリマ部材とその他の構造部材との境界部接合方法に応じて、構造の部材剛性が様々に変化することを実験から定性的に明らかにした。また、柔軟太陽電池セルなどの収納・展開用の構造制御アクチュエータとしての利用可能性を同時に示した。本研究で得られた形状記憶ポリマ製アクチュエータおよびそれらの軽量構造部材との統合法に関する基礎的知見を更に発展させることにより、将来の高度ミッションを支えるゴッサマ適応構造システム設計法の確立に繋がるものと考えられる。
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