2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代宇宙輸送機の信頼性向上のための誘導制御系設計
Project/Area Number |
20760549
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安部 明雄 Nihon University, 理工学部, 助教 (60434114)
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Keywords | Space Transportation / Re-entry / Guidance and Control / Adaptive Control / Trajectory Generation |
Research Abstract |
本課題では,次世代宇宙輸送機の宇宙輸送ミッションの,信頼性向上のための誘導制御系の設計を行った.特に,本年度は,宇宙輸送機の宇宙空間から地球に帰還する際の再突入フェーズに関して,厳密な線形化法を用いた適応飛行制御システムの設計を行った.厳密な線形化法は,近似を用いずに変数の非線形変換と非線形要素を取り除くフィードバックによって線形化を行う手法であり,システムの大域的な安定性を保証可能である.本課題で設計した適応飛行制御システムでは,機体に生じる空力係数を未知として取り扱うことができ,飛行環境に応じて自律的に制御システムが対処して飛行ミッションを遂行することが可能である.また,機体に課せられる熱拘束,動圧拘束,荷重倍数,平行滑空などの各種の拘束条件を満たす極めて幅の狭い「突入回廊」の近傍を通過し飛行可能領域を自律的に飛行することが可能となった. 特に軌道生成では,これまでの研究と異なり,基準軌道を関数形式で得ることに成功しており,1サイクルの計算によって,どの地点からでも目的地点に向けて基準軌道を生成することが可能になり,障害物の回避問題への拡張が見込まれる. また,汎用計算機だけでなく,本申請の予算で購入したオンボード計算機(シングルボードACE1104CLP USB)によって,設計した制御システムのリアルタイムでの計算時間,実用に供するかどうかの妥当性及び有効性を検証した. これらの成果を,2009年第27回宇宙科学と技術に関する国際会議(International Symposium on Space Technology and Science)及び第53回宇宙科学技術連合講演会にて発表を行い,一定の評価を得ることができた.特に,宇宙科学技術連合講演会では,本研究の発表予定の原稿が評価され,主催者側からの要請を受けて,オーガナイズドセッション「大学から見た将来型宇宙輸送」で本課題の成果を発表した.
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Research Products
(2 results)