2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱防御システム評価技術向上に向けた材料表面触媒性の高精度モデル化
Project/Area Number |
20760553
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
鈴木 俊之 Japan Aerospace Exploration Agency, 研究開発本部未踏技術研究センター, 研究員 (20392839)
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Keywords | 高温空気力学 / 熱防御システム |
Research Abstract |
本研究は,熱防御システムの設計の際の大きな不確定要素である材料表面触媒性についてその特性を小規模実験室レベルで観測する手法を確立するものであり,また得られた実験データを用いて触媒性再結合反応モデルの構築・検証を行うことにより,惑星探査や大気圏突入カプセル等に用いられる熱防御システム評価技術の改善・熱防御システム信頼性の向上を目指すものである. 本研究では酸素原子触媒性のみならず窒素原子触媒性も評価するため,平成20年度はプラズマ発生装置の出力向上を狙い,電源系,冷却系,排気系の改修を行った.本装置を用いて熱防御材料供試体周囲に酸素及び窒素プラズマを生成し,供試体周囲の発光強度分布を計測した.触媒性再結合反応の結果として生じる供試体周囲の化学種濃度の変化と関連付けることで材料表面触媒性の定量化を行った.また供試体としてSiC材及び高触媒として知られるCuを用いた.両者の比較を通して本計測手法の妥当性を確認した.またグラファイト材の窒素気流中における反応特性を調査した. 得られた実験データの理解を促進するため,モンテカルロ直接法に基づく数値解析手法の構築を実施した。電子の運動,電子励起,各種エネルギーモードとの緩和に関するモデルを導入することで,プラズマ発生装置内部流れ場の再現に成功した.本研究で開発した数値解析コードをベースとして,平成21年度は材料表面における吸着・脱離・E-R反応・L-H反応を考慮した触媒性反応モデルの構築を行う.実験結果との比較を通して,E-R反応やL-H反応の反応断面積を評価することで材料表面における触媒性の定量化を行う予定である.
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