2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱防御システム評価技術向上に向けた材料表面触媒性の高精度モデル化
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20760553
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
鈴木 俊之 Japan Aerospace Exploration Agency, 研究開発本部未踏技術研究センター, 研究員 (20392839)
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Keywords | 再使用型宇宙輸送機 / 高温空気力学 / 熱防御システム / 分光 |
Research Abstract |
本研究は,熱防御システムの設計の際の大きな不確定要素である材料表面触媒性についてその特性を小規模実験室レベルで観測する手法を確立するものであり,また得られた実験データを用いて触媒性再結合反応モデルの構築・検証を行うことにより,惑星探査や大気圏突入カプセル等に用いられる熱防御システム評価技術の改善・熱防御システム信頼性の向上を目指すものである. 平成21年度は,平成20年度に作成したモンテカルロ直接法に基づく数値解析コードに対し,材料表面における触媒性反応モデルを導入した.本モデルは材料表面における吸着・脱離・E-R反応・L-H反応を考慮したものであり,材料表面に吸着された原子数密度の時間変化を流れ場と連成させることにより時間発展的に解くものである.本数値解析コードを用いて触媒性計測装置内部流れ場を解析し,平成20年度に取得したSiC材料周囲の発光強度分布と比較することで材料表面触媒性を支配する様々なパラメータの定量化を行った.その結果,実験結果を再現するための吸着確率,アクティブサイト数,衝突脱離断面積,E-R反応断面積を特定することが可能であり,触媒効率に換算した場合SiCで0.035,Cuで0.1ほどであることが判明した.発光分光実験と数値解析との融合を通して材料表面触媒性を定量化する本研究は今後様々な耐熱材料に応用することが可能であり,今後の熱防御システム評価解析技術改善に向けた礎とすることができた.
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