2008 Fiscal Year Annual Research Report
分布センサ情報を用いた荷重の逆解析手法に関する研究
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20760557
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村山 英晶 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (10361502)
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Keywords | 船舶工学 / 航空宇宙工学 / 構造工学・地震工学 / スマートセンサ情報システム / 長寿命化 / 光ファイバセンサ / 逆解析 / 構造ヘルスモニタリング |
Research Abstract |
本研究では, 船体構造の安全性・信頼性向上および長寿命化を目的とし, 広範囲の効率的なひずみ計測を可能とする分布型センサを用いて, そのひずみ情報から船体構造に負荷される分布荷重を逆解析によりリアルタイムに推定し, さらに各部位の応力を求める手法について研究している. 2年間の研究期間において, 第一に, 逆推定手法の改良による誤差を含むセンサ情報を用いた荷重・応力推定の精度を向上, および実構造モデルへの対象の拡張, 第二に, センサ最適配置の検討, 次に, 静的な外荷重と貨物荷重の分離推定手法および航行時に加わる動的な外荷重と自重による慣性力の推定手法についての検討, 最後に, 多点センシング形態による光ファイバひずみ・加速度測定システムの開発を予定している. H20年度は, ひずみセンサ情報に加え, 力のつり合い等の情報を加えて精度の向上を図った. また, 新たに変位センサ情報を導入することでも荷重の逆推定が精度良くできることが分かった. さらに, 船体の一部を模擬した補強板を含む構造に対しての適用性を検証し, 光ファイバセンサを前提とした実現可能なセンサ配置で分布荷重を良く推定できた, また, H21年度に予定していた実構造物に近い構造(航空機翼構造)に対する適用性の検証を行い, 平板と同様の結果を得ることができた. さらに, 本研究の範囲外としていた剛性の変化による影響について検討し, ひずみ情報および逆推定結果から構造健全性の評価が可能なことが分かった. 以上のことから, 手法の改良により誤差を含むセンサ情報でも実構造での分布荷重の逆推定が精度良く可能であることを数植シミュレーションにより検証し, また分布型光ファイバセンサの本手法に対する有効性を示すことができた. H21年度で予定している各種荷重の分離推定, 光ファイバセンサシステムの開発, センサ配置の最適化手法の確立, 実験による検証の基礎となる進展が得られた.
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