2008 Fiscal Year Annual Research Report
水波と浮体の複雑な相互干渉問題を取り扱う高速計算法の開発
Project/Area Number |
20760561
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末吉 誠 Kyushu University, 応用力学研究所, 助教 (80380533)
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Keywords | 粒子法 / 境界要素法 / ハイブリッド法 / 並列化 / 水波 |
Research Abstract |
本研究は船舶・海洋構造物が転覆や沈没に至るような荒天下の極限状態について、数値流体力学的手法を用いて数値シミュレーションを行う方法を開発することで、その安全設計に役立てることが最終目標である。そこで粒子法と境界要素法を組み合わせたハイブリッド計算法の開発を行う計画であり、平成20年度はおもに、開発上の技術的な問題点を明らかにするための動向調査や各種要素技術を取得するためにプログラムの試作・試計算を行った。粒子法と境界要素法のハイブリッド化で問題の一つとなるのは2つの分割された領域間での情報のやり取りにおける各種数値的な取扱いであり、細かな技術的問題点について検討を行った。具体的には以下のような作業が行われた。 ・境界面での圧力のやり取りに導入していた平滑化処理による減衰を避けるため、粒子法側での数値振動の少ない圧力計算法について導入を図った。 ・これまでは粒子法ソルバの固体境界面で、粒子数の低下と分布の偏りに起因する精度低下が起きていたため、非物理的な流動が計算されるケースがあった。これについても検討を行い、その除去を図った。 また、上述のようなアルゴリズム上の問題の改善と共に、現在の電子計算機の開発動向で推し進められたマルチコア化に対応して、粒子法ソルバの並列化効率改善を図った。現時点では高速なネットワークを有する計算機上であれば粒子法単体での並列化率は97パーセント以上が確認され、CPU数にある程度準じた計算速度を期待できることを確認した。
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