2008 Fiscal Year Annual Research Report
滑走型高速船の航走性能評価シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
20760563
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
勝井 辰博 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 講師 (80343416)
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Keywords | 滑走艇 / 航走姿勢 / 未定境界積分方程式 / 浸水面形状 / チャインドライ / 数値解析 / 模型試験 |
Research Abstract |
本研究課題は、滑走艇の航走性能評価シミュレーション手法を開発し、滑走艇の高性能化と船型設計の高度化に寄与することを目的としたものである。本手法は滑走艇周りの流れを解析する未定境界積分方程式の数値的に解いて滑走艇に作用する流体力を算定し、力学的平衡条件から滑走艇の定常航走時姿勢と所要の推力を求めるものである。本手法の特徴はこれまでは難しかった滑走艇の航走時浸水面積も計算によって求めることができるところにあり、そのため艇に作用する流体力を精度よく推定することが可能である。 本年度はこれまでできなかったチャインドライ航走時のシミュレーションを可能にするめ、船側部で仮想浸水面を設ける手法を開発し、チャインドライ航走のシミュレーションを可能とした。浸水面形状の計算結果は実験による計測結果と良く一致し、滑走艇に作用する揚力、抵抗についても概ね実験結果に近い値をとることが分かった。さらに、滑走艇の航走姿勢に与える、滑走艇の航走時排水量および滑走艇に作用する抵抗とスラストが滑走艇の航走姿勢に与える影響をシミュレーションに組み込んだ。その結果、これまでの手法では過大に計算されていた航走時トリムおよび過少に計算されていた航走時の浮上量ともに実験結果に近い値をとるようになった。特にフルード数が1前後の低速域では計算精度が大幅に改善し、この領域では航走時排水量の考慮が不可欠であることが分かった。以上の結果より本年度の所要の目的は概ね達成されたものと考える。
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