2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオセンサモジュールを用いた小型塩分センサの開発
Project/Area Number |
20760565
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
植木 巌 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境観測研究センター, 研究員 (60371712)
|
Keywords | 海洋工学 / 海洋科学 / 計測工学 / 塩分センサ |
Research Abstract |
本研究では現場観測ツールとしての小型・軽量・高精度の塩分センサの開発に向け,表面プラズモン共鳴技術を応用したシステムを試作し,その評価と実用への検討をすることが目的である. 本年度は小型塩分センサのシステム設計と共に,センサモジュール単位の評価を中心に行ったが,机上でのシリンジを用いたモジュール単位の性能評価では屈折率単位で10^<-5>のオーダー(水温計測精度が0.01℃の場合の塩分0.02程度の計測制度)の計測をすることの可能性が確認できた.しかしながら検定バスを用いた精度評価ではフローセルの形状に依存した流路の安定性とセンシング部の温度依存性の問題から,計測の安定性が保てないという状況が発生した.温度依存性に関してはシステムのデザインを変更することで影響を低減することができたが,フローセルの問題に関してはサンプルの導入方法に関する全面的な見直しが必要となり,現在も引き続きその対応を進めている所である. 一方,計測した屈折率から塩分を導出するためのアルゴリズムに対してQuan and Fry(1995)の経験式を対象に検討を行ったところ,本センサモジュールの仕様である840nmの波長の光源への適用の際には誤差が大きく,新たな経験式の作成が必要であることが判明した. 次年度はサンプルの導入方法に関するシステム改良をおこなった後に検定バスでの計測事例を増やすことで経験式の確立を進め,最終的には現場計測テストを実施する予定である.
|