2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工筋肉を用いた大出力薄型海底下音響探査装置に関する研究
Project/Area Number |
20760566
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
澤 隆雄 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 海洋工学センター, 技術研究主任 (50359139)
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Keywords | 誘電EAPエラストマー / 人工筋肉 / ソナー |
Research Abstract |
海底地形調査や海底下構造調査などで用いるソナーの性能向上のため,人工筋肉を用いた大出力薄型水中送波器を試作し,その効果と問題点を明らかとすることを目的としている本研究では,本年度は高静水圧環境下における特性変化の確認と,空中での指向性特性および周波数特性の計測を行った. 高静水圧環境下における特性変化の確認では,高圧実験水槽内に人工筋肉を設置し,0,10,30,100MPaと段階的に加圧し,それぞれの圧力下で2.5kV,3.0kV,3.5kVの電圧を印加し,水槽内に設置したカメラでその作動状態を常時監視した.その結果,いずれの圧力・電圧においても人工筋肉に大きな変化はなかった. 空中における指向性特性と周波数特性の計測においては,ファンクションジェネレーターで生成したバースト波をパワーアンプで1kV以上に増幅し,人工筋肉スピーカに入力して音波を出力,それをサウンドレベルメータで受信し,受信波形をオシロスコープで観察してその振幅から受信レベルを算出した.周波数320Hzから20.4kHzの周波数特性を計測した結果,700Hzで音圧ピークとなったのち6kHzまで徐々に低下し,その後フラットとなった.人工筋肉スピーカを回転台の上に搭載し,-90から+90度の指向性特性を計測した結果では,この人工筋肉スピーカはおよそ±45度程度の指向性を持っており,送波音圧は角度が増えるに連れてなだらかに減少しており,サイドローブの無い特性であった.
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