2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工筋肉を用いた大出力薄型海底下音響探査装置に関する研究
Project/Area Number |
20760566
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
澤 隆雄 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 技術研究主任 (50359139)
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Keywords | 人工筋肉 / 誘電EAPエラストマ / サブボトムプロファイラ / 水中送波器 / EPAM |
Research Abstract |
本研究は海底地形調査や海底下構造調査などで用いるソナーの性能向上を目的として,特にペイロードに制約がある水中ロボットに大型大出力の海底下探査装置を搭載するため,人工筋肉を用いた大出力薄型水中送波器を試作する. 本年度は水中送波器に改良を施した上で,人工筋肉の多層化試験を実施した.まず水中における送波器の耐久性能を向上させるために,人工筋肉膜全体にシリコーンゴムを塗布して防水処理し,人工筋肉膜表面のカーボンが水との摩擦で損傷するのを防ぐ構造とした.その改良した水中送波器を用いて,可聴域の音楽を入力信号に用いた水中送波試験を実施したところ,60分以上の連続送波でも音楽は正常に再生され,膜に特段の劣化・損傷が無い事を確認できた. 次に膜の枚数による送波出力の変化を確認するため,水中送波器で用いられている2枚の人工筋肉膜の1枚だけ通電動作させる構成とし,可聴域の音楽を入力信号に用いた送波試験を行った.その結果,音楽は正常に再生され,ただし2枚の場合よりも低い送信音圧で再生される事を確認できた. 残念ながら研究実施計画にあった大型水中送波膜の製作と,それを用いた特性計測および変形試験は,費用的な問題で断念した.また水中送波出力が低くハイドロフォンによる計測が出来なかったため,定量的な評価が実施出来なかった.しかし本研究により人工筋肉を用いた大深度用水中送波器の実現が可能である事,また人工筋肉膜の多層化によって出力の向上が可能である事が確認できたことは,今後に繋がる有意義な成果である.
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