2009 Fiscal Year Annual Research Report
未開発海洋資源のミネラルプロセッシング―コバルトリッチクラストの処理―
Project/Area Number |
20760567
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 真由美 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (10339690)
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Keywords | 海洋資源 / 資源開発工学 / コバルトリッチクラスト |
Research Abstract |
深海から揚鉱されるコバルトリッチクラスト鉱石は,有用金属を含まない核岩や海底基盤岩を多量に含んでおり,製錬処理の前にこれらの岩石を除去する選鉱処理が必要であるが,1990年代に調査が開始された鉱石であるため,高効率な選鉱プロセスはいまだ確立されていない。申請者はこれまでに,粗粒子の選鉱に比重選別が効果的であることを見出したが,微粒子・細粒子の選別精度が低いことが問題となっている。そこで本研究ではコバルトリッチクラスト鉱石の粉砕産物のうち,微粒分についての浮遊選鉱法による分離,細粒群のジグ選別および表面改質前処理を行った試料の気泡導入ジグ選別(ハイブリッドジグ)を検討し,効率的な総合処理フローを提案することを目的として研究を実施している。本年度は2年目であり細粒子の比重選別を検討した。申請者の所属する研究室で開発された網下気室型ジグ選別機を細粒処理用に改造し試験を行ったところ,波高などの運転条件を適切に設定することで分離が進行することを見出した。さらに昨年度に得た知見に基づき表面改質を行い,気泡を導入してみかけ比重を小さくする装置の試作を試みた。細粒子であることから既存の気泡導入装置を使うと粒子層内に乱れが生じることが分かり,微細気泡発生装置を組み込むことで装置を改造し,表面改質前後の試料の選別試験を行った。細粒子用ジグの選別では良い試験が得られた。また,微細気泡はみかけ比重の軽減に効果があるものの,気泡導入が水の脈動を乱すために選別性が低下することが明らかとなり,さらなる改造が必要であることが分かった。
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