2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760569
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
所 千晴 Waseda University, 理工学術院, 講師 (90386615)
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Keywords | 環境修復技術 / 省資源技術 / リサイクル技術 / 環境負荷低減技術 |
Research Abstract |
赤泥の坑廃水処理への適用を目指し、今年度は赤泥のAs(V、III)の吸着特性を実験的に調査した。赤泥は住友化学工業株式会社より提供を受け、予め乾燥処理を施したものを使用し、初期As濃度10mg/dm3の条件における赤泥によるAs(III/V)除去の最適条件を求めた。As(V)ではpH5.0、反応時間120min、赤泥添加量2.Og/dm3の条件にて排水基準値を下回ったが、一方で、As(III)は、pH7.0〜9.0、反応時間60min、赤泥添加量100g/dm3にて最も除去されたものの、排水基準値を下回ることはなかった。また、最大吸着容量を比較しても、As(V)は435μmol/g、As(III)は82.0μmol/gと大きく差が出ていた。以上の結果より、赤泥によるAs(III)の除去結果は良好であるとは言い難く、赤泥にてAs(III)処理を行なう際には、事前にAs(V)への酸化が必要となると考えられた。As(V)に対しては溶液pHが、As(III)に対しては赤泥添加量が、赤泥へのAs吸着量の多寡に大きく影響を及ぼしていた。その要因としては、As(V)は内圏錯体反応によって、As(III)は外圏錯体反応によって除去されていることに起因していると考えられた。また、pH4.5以下に条件を設定したとき、溶液中への赤泥からのAl分の溶解が起こることによって、As(V)が溶液中に溶出する現象も常に確認された。脱Al赤泥による実験を行なうことで、赤泥上のA1分へ60%、Fe分へは40%のAs(V)が吸着するのではないか、と推測された。
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