2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760572
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
板倉 剛 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 特任助教 (20402498)
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Keywords | 排水 / 水熱鉱化処理 / ホウ素 / 無害化 / 資源回収 |
Research Abstract |
ホウ素含有溶液に対して水熱鉱化処理を施した際の、鉱物生成速度について検討した。その結果、鉱化反応は数秒で完了し、反応速度論的な解析を行うことは不可能であった。しかし、この結果は水熱鉱化処理を工業利用するにあたって流通型の処理が可能であることを示している。そこで、擬似的に流通処理を可能とする反応装置を作成した。装置には、試料導入管と試料採取管および送液ポンプが接続されており、試料導入管には予熱器が装着されている。この予熱器を用い、反応容器に所定の温度に設定した試料溶液を導入すると同時に反応後の溶液を連続的に採取することで連続的な処理を行う。この反応装置内に鉱化剤として水酸化カルシウムを充填後、容器内温度を150℃に設定し、150℃に加熱した500ppmのホウ素含有溶液を導入、さらに導入速度と同じ流速で反応装置から試料溶液を採取した。この結果、反応装置から得られた試料溶液中のホウ素濃度は、導入した試料溶液中のホウ素濃度と比較して1/10程度に減少した。また、処理効率を向上させるために、ホウ素含有溶液に塩化カルシウムを添加後、同様の処理を施したところ、同体積の鉱化剤によって処理可能な溶液量が大幅に増加した。これは、ホウ素含有溶液に溶存するカルシウムイオンが反応容器内で鉱化剤である水酸化カルシウムを生成し、鉱化反応が連続的に起こるためである。以上の結果より、本水熱鉱化廃水処理は、生成した天然鉱物と処理溶液の水熱平衡下における分離回収を達成する事ができれば、非常に容易に連続処理が可能であり、工業利用への適用可能性が大幅に広がったといえる。
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Research Products
(7 results)