2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760572
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
板倉 剛 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 特任助教 (20402498)
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Keywords | 排水 / 水熱鉱化処理 / 無害化 / 資源回収 |
Research Abstract |
水熱鉱化処理の汎用性を確かめるため、ホウフッ化物イオンあるいはテトラフルオロリン酸イオンを対イオンとして含有するイオン液体(慣用名(BMI)BF_4あるいは(BMI)PF_6)含有排水の無害化およびホウ素、りん、フッ素資源の回収について検討した。この結果、水熱鉱化処理は、上記のようなイオン液体に含まれる有害物質の回収にも有効であることが明らかとなった。また、TiO_2光触媒による有機成分の分解処理を組み合わせることにより、さらに効率的な水溶液の無害化処理が可能であった。 また、水熱鉱化処理を工業利用するにあたって流通型処理の可能性について検討した。予熱器が装着された試料導入管2本と試料採取管および送液ポンプを接続した耐圧反応装置を用い、擬似流通水熱鉱化処理を行った。予熱器を用い、反応容器に所定の温度に設定した試料溶液および鉱化剤含有溶液を反応装置に導入すると同時に反応後の溶液を試料採取管より連続的に採取することで連続的な処理を行う。鉱化剤種、圧力、温度などの詳細な検討を行った結果、水蒸気圧下にてCaCl_2溶液を鉱化剤として導入し、塩基性に調整したホウ素含有溶液を反応容器内において混合しながら処理を行うことで、In-Situで鉱化剤であるCa(OH)_2を形成させ、効率的にホウ素鉱物化が可能であることを明らかにした。以上の結果より、本水熱鉱化廃水処理は、生成した天然鉱物と処理溶液の水熱平衡下における分離回収を達成する事ができれば、非常に容易に連続処理が可能であることがわかり、工業利用への適用可能性が大幅に広がったと考えている。
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Research Products
(4 results)