2009 Fiscal Year Annual Research Report
層状複水酸化物を用いる高度陰イオン除去プロセスの開発
Project/Area Number |
20760573
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
村山 憲弘 Kansai University, 環境都市工学部, 専任講師 (90340653)
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Keywords | 有害重金属 / 層状複水酸化物 / ハイドロタルサイト様化合物 / 陰イオン交換体 / 排水処理 / リサイクル / 廃棄物処理 / 再資源化 |
Research Abstract |
アルミ再生工程で生じる廃棄物を原料に用いて調製したハイドロタルサイト様化合物(以下、HTと略記)の有害陰イオン種の除去特性を調べるとともに、As(III)、As(V)、Cr(VI)、Se(VI)などの有害陰イオン種の除去プロセスを構築することが研究の目的である。平成21年度は、前年度の研究結果を踏まえて実際の重金属除去プロセスの設計を想定して、工学的見地から解析的および実験的な検討を行った。 昨年に引き続き、試薬由来HTおよび廃棄物由来HTを用いて、実際の重金属除去プロセスでの対象となる低濃度領域での吸着等温線の実験データを数多く蓄積し、プロセス設計に利用できるデータベースを構築することができた。ここで得られた吸着等温線を利用して、排水基準値以下にまで有害陰イオン種を除去するようなケースを考慮し、回分除去操作および連続除去操作の設計条件に関する検討を行った。具体的には、多回回分操作にて陰イオン種の除去を行う際に必要なるHTの総量、各段へのHTの配分量や操作段数、あるいは、カラムヘの所要充填量や通液速度を求めるための解析を行った。併せて、解析から得られたいくつかの条件下で実際に回分除去実験およびカラム連続除去実験を行った。解析結果と実験結果との比較を行ったところ、両者の間に良好な一致が認められた。特に、カラム試験においては、重金属陰イオンの流通式連続除去に関する貴重なデータが得られるとともに、HTの造粒方法とHT造粒物の物性に関する新たな知見が得られた。 以上の結果から、As(III)、As(V)、Cr(VI)、Se(IV)などの有害イオン種を排水基準値以下にまで除去できることが解析的および実験的に明らかにされ、HTが有害重金属の除去に対して優れた特性を持っていることがわかった。
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