2008 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波エネルギーの選択的注入による金属・樹脂接合廃棄物の分離・資源化
Project/Area Number |
20760574
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
小林 潤 National Institute for Environmental Studies, 循環型社会・廃棄物研究センター, 研究員 (60314035)
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Keywords | 電磁波 / 高周波誘導加熱 / 金属・樹脂分離 / 金属メッキ樹脂 / 電子回路基板 / 非定常熱伝導 / 熱分解 / 流動層 |
Research Abstract |
金属メッキ加工樹脂からの高効率かつ低環境負荷型の金属および樹脂の分離回収技術の確立を最終目標として、予め粗粉砕された金属メッキ加工樹脂に対し高周波誘導加熱により金属・樹脂接合面を選択的に軟化・溶融もしくは熱分解し、その状態で流動化させることで金属・樹脂を機械的に分離しかつ密度差を利用した選別を同時に行うプロセスの確立に資する要素技術開発を行う。 当該年度においては、高周波誘導加熱実験の前段階として、気泡流動層による金属・樹脂分離試験を行ったところ、流動媒体にパイレックスガラスビーズまたはγアルミナ粒子を用いることで金属小片は流動層底部に、樹脂小片は流動層上部に分離することを確認した。この結果に基づき、各粒子を流動媒体に用いて、電子回路基板破砕物および遮光・酸素透過防止用アルミ被覆樹脂フィルムを対象として、流動層型反応装置による高周波誘導加熱実験を行った。その結果、アルミ被覆樹脂フィルムについては、金属・樹脂接合面が明らかに劣化し容易に剥離出来る状態になることを確認した。一方、電子回路基板については樹脂部分が熱硬化性であること、耐熱性耐火性を高めるための添加剤を付与されていること等により、金属との接合面の接着力があまり低下せず結果として伝導伝熱が維持されるため、樹脂全体の熱分解が進行してしまうことが明らかとなった。これらの結果に基づき、高周波照射方法について詳細な検討を行うと共に、高周波照射試験の前処理としての破砕条件の選定や照射時におけるキャリアーガスの種類、流量、流動層温度などをパラメータとした実験的検討を行う。
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