2009 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波エネルギーの選択的注入による金属・樹脂接合廃棄物の分離・資源化
Project/Area Number |
20760574
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
小林 潤 National Institute for Environmental Studies, 循環型社会・廃棄物研究センター, 研究員 (60314035)
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Keywords | 電磁波 / 高周波誘導加熱 / 金属・樹脂分離 / 金属メッキ樹脂 / 電子回路基板 / 非定常熱伝導 / 熱分解 / 流動層 |
Research Abstract |
金属メッキ加工樹脂からの高効率かつ低環境負荷型の金属および樹脂の分離回収技術の確立を最終目標として、予め粗粉砕された金属メッキ加工樹脂に対し高周波誘導加熱により金属・樹脂接合面を選択的に軟化・溶融もしくは熱分解し、その状態で流動化させることで金属・樹脂を機械的に分離しかつ密度差を利用した選別を同時に行うプロセスの確立に資する要素技術開発を行う。 当該年度においては、特にアルミラミネートフィルムを対象とした高周波誘導加熱特性に重点を置いた実験的検討を行った。アルミラミネートフィルムのみを高周波誘導加熱用コイル内に設置して高周波を印加したところ、ステップ応答的な加熱挙動が確認された誘導加熱は極めて早いことが改めて確認されたが、この実験では金属・樹脂接合面の分離は確認されなかった。また試料形状等をパラメータとした流動層加熱実験を行ったところ、粒径1mm角程度の試料ではほとんど加熱されないことが明らかとなり、対象物の物理形状が加熱挙動に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。これは、当該試料の厚みが20□m程度と非常に薄く渦電流が形成される方向(コイルの巻いてある向きに対して垂直な平面)が試料の向きによって制限される可能性があることによると推察される。高周波誘導加熱時における熱収支について検討した結果、被加熱試料重量に大きく依存するが概ね投入される高周波出力の1割程度が熱に変換していることが明らかとなった。しかし、その大半は流動媒体の加熱に費やされていることが改めて示された。 これらの結果に基づき、高周波照射方法について詳細な検討を行うと共に、破砕条件の選定や誘導加熱時における金属・樹脂の機械的分離促進のための手法について開発を進める。
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Research Products
(1 results)