2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形磁気流体シミュレーションによる環状プラズマの崩壊現象の研究
Project/Area Number |
20760583
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
水口 直紀 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (70332187)
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Keywords | ヘリオトロン / MHD / シミュレーション / 崩壊現象 / ELM |
Research Abstract |
トカマクやヘリカル糸など様々な磁場配位をもつトーラスプラズマにおいて普遍的に観測されている崩壊現象について、その非線形ダイナミクスを、磁気流体力学(MHD)モデルに基づいた非線形数値シミュレーションにより配位間で比較しながら包括的に理解することをめざし研究を行なった。具体的な対象として、今年度はヘリオトロンにおけるコア密度崩壊(CDC)と呼ばれる崩壊現象をとりあげ、実験条件に即した数値シミュレーションを実行した。計算機上で当該崩壊現象の崩壊フェーズに相当する非線形過程を再現した上で、その発生ダイナミクスを詳細に調べた。結果を球状トカマク(ST)におげるELMの崩壊フェーズに関する過去のシミュレーション結果と比較し、相違点を抽出した。 CDCに関するシミュレーション結果は、中波数の抵抗性バルーニングモードの自発的成長を示し、圧力構造の崩壊を伴う非線形過程を経過した。圧力崩壊に至る前段階で3度のエネルギー緩和を伴い、圧力崩壊時には磁気面構造に乱れが生じることから、圧力崩壊の発生メカニズムは磁力線のつなぎ変えによる沿磁力線方向の圧力平坦化過程であることが示唆されな。またとくに径方向中程の有理面近傍において顕著に磁場構造の乱れと圧力の流出が見られた。以上の結果、周辺部における前兆振動と、中心部における圧力の低下という実験結果を説明しうるシナリオが示唆された。 ヘリオトロンにおけるCDCとSTにおけるELMのシミュレーション結果とを比較すると、両者ともバルーニングモードにより引き起こされる周辺部の振動と、それに続く中心部の圧力低下を示すが、前者が前述のごとく磁力線に沿った対流で以て圧力が流出するのに対し、後者は圧力分布の急峻化による二次的な内部不安定性の励起が原因となっており、崩壊の規模が後者の方がより大きくなる点で差が見られることが明らかにされた。
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Research Products
(3 results)