2011 Fiscal Year Annual Research Report
非線形磁気流体シミュレーションによる環状プラズマの崩壊現象の研究
Project/Area Number |
20760583
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
水口 直紀 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (70332187)
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Keywords | ヘリオトロン / MHD / シミュレーション / RFP / 崩壊現象 |
Research Abstract |
トカマクやヘリカル系など様々な磁場配位をもつ環状プラズマにおいて普遍的に観測される崩壊現象について、その非線形ダイナミクスを、磁気流体力学(MHD)モデルに基づいた非線形シミュレーションにより配位間で比較しながら包括的に理解することをめざし、研究を行った。今年度は、逆磁場ピンチ(RFP)における種々の緩和現象について、さらに解析を進め、研究を総括した。RFP配位で観測されている単一ヘリシティ状態等の3次元構造の形成および崩壊過程を具体的対象とし、汎用非線形MHDソルバーであるMIPSコードを用いて、現象の再現を試みた。共鳴有理磁気面が存在する場合と非存在の場合とで結果を比較すると、いずれの場合も特徴的なぞら豆型ポロイダル断面をもち、且つホローな圧力分布を形成する、トロイダルモード数が4のヘリカル型配位に自発的に緩和する様子が再現された。京都工繊大のRELAX装置における実験結果と比較し、モード構造がよく一致することが確認された。また共鳴/非共鳴いずれの場合においてもヘリカル状態が形成される事実は米国における実験結果とも符合する。このように、実験との比較を行いながら、RFPにおける崩壊型の構造形成過程のモデリングを行った。研究初年度からの他の配位に対するシミュレーション結果と配位間で比較すれば、プラズマベータ値や、原因モードの駆動エネルギー源等に違いをもつにもかかわらず、不安定性成長の飽和に際し、磁気再結合を伴った3次元構造へと変換する等、共通点が見出された。成果は11月に開かれた国際会議において報告され、論文化された(印刷中)。本研究課題は、崩壊過程の動的な解析を行ったものであるが、その帰結として生じる緩和状態には、一定の共通の特徴をもった3次元構造が見出されたため、今後の研究の発展の方尚性として、これらの3次元緩和状態の特性を明らかにしてゆくことが提案できる。
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Research Products
(2 results)