2010 Fiscal Year Annual Research Report
モーショナルシュタルク効果計測光学系を利用したELMパルス伝搬機構の解明
Project/Area Number |
20760586
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
鈴木 隆博 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (60354594)
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Keywords | プラズマ・核融合 / Hモードプラズマ / ELMパルス / モーショナルシュタルク効果 / ビーム放射分光 / プラズマ密度 / スクレイプオフ層 / 背景光 |
Research Abstract |
本研究課題では、核融合に必要な高閉じ込めモード(Hモード)プラズマにおいて観測されるプラズマの間欠的な放出(ELMパルス)のプラズマ外での伝搬を調べ、プラズマパラメータへの依存性からELMパルスの伝搬機構の解明を目指す。モーショナルシュタルク効果(MSE)計測器は計測用中性粒子ビーム(NB)をプローブとし、信号光強度はプラズマ密度に比例する。このため、ELMパルスの伝搬をプラズマ密度の伝搬として測定できることが期待される。ただし、MSE計測器はELMパルスによる信号光以外の背景光も観測するため、この背景光を除去しELMパルスの伝搬速度を評価する解析手法をH21年度までに開発した。 H22年度は、上記の解析手法を様々な位置形状のプラズマに適用するための検討と解析を進めた。すなわち上記の解析手法では、背景光チャンネルがプラズマ外を観測するようプラズマの位置形状を最適化し、背景光の時間変化の空間位置依存性がプラズマ外で小さいという仮定の下に背景光を除去する。解析を進めたところ、背景光の時間変化の空間位置依存性はプラズマ外のみならずプラズマ内でも比較的小さいことがわかり、背景光チャンネルがプラズマ内を観測するような位置形状であってもELMパルスの伝搬解析を行える見通しを得た。これによりELMパルス伝搬解析の対象となるJT-60Uプラズマの母集団数が増え、ELMパルス伝搬速度等のプラズマパラメータへの依存性を広範囲に調べることができる。また、ELMパルス伝搬速度のダイバータ部のDα光ピーク強度への依存性を調べ、強く依存しないという結果を得た。
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