2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気的物理量と照射脆化の相関データベースに基づく脆化予測法の開発
Project/Area Number |
20760588
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小林 悟 Iwate University, 工学部, 助教 (30396410)
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Keywords | 照射脆化 / 磁性 / 非破壊検査 / 劣化予測 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中性子照射済み小型引張試験片を数千本保有する米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の協力の下、原子炉圧力容器鋼材の磁気計測を実施し、中性子照射脆化と磁気的物理量の相関データベースの構築および磁気的物理量に基づく照射脆化予測法を確立することである。平成21年度は、以下の様にUCSBにおける磁気計測および照射脆化予測法の開発を行った。 1.照射材の磁気計測と相関データベース構築 平成21年11月に2週間UCSBに滞在し、照射材の磁気計測を行った。照射脆化のキー元素(銅、ニッケル)含有量、フラックス強度、照射量、照射温度を系統的に変えた圧力容器鋼・商業炉基材の中性子照射材(条件数130、試料数約160)について実施した。磁気マイナーループ法に基づく実験データ解析を行い、磁気的物理量と照射脆化(降伏応力変化)の相関についてデータベース化を進めた。 2.照射脆化予測法の開発 磁気的物理量においても、降伏応力変化と同様な照射条件依存性が観測された。定量的解析のため、まず磁気的物理量の照射量依存性について、二つの異なる磁気特性変化メカニズム(析出物形成、応力緩和)を考慮したモデル解析を行い、脆化の主要因である析出物形成の寄与を分離・抽出した。モデル解析結果を試料群別に整理したところ、磁気特性の脆化寄与成分と降伏応力変化の間に正の比例関係が見つかった。この結果は、磁気的物理量の計測により、降伏応力変化(照射脆化の度合い)を予測できることを示している。
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Research Products
(4 results)