2008 Fiscal Year Annual Research Report
紫外発光シンチレータとMSGCによる高分解能PET用新規検出器の開発
Project/Area Number |
20760589
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 薫 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (60401147)
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Keywords | 計測工学 / 放射線検出 / 紫外発光シンチレータ / MSGC |
Research Abstract |
ガス比例計数管は高い位置分解能1mmを切る高い位置分解能、リアルタイム計測性、シングルフォトンカウンティング能などを有する優れた検出器である。放射線を気体の電離作用を利用して検出するが、一般的には高エネルギーX線が入射した場合、気体の密度の低さのために検出効率が低下する。そこで本研究では、放射線の捕捉は固体で密度の高いシンチレータにより行い、信号の取得はガス比例計数管の一種であるMSGCを用いることによって、高位置分解能でシングルフォトンカウンティングに対応可能なリアルタイムガンマ線検出器の実現に向けた研究を行うことを目的とした。 平成20年度は放射線をシンチレータで光へ、その光を光電材料によって電子へと変換しマイクロストリップガス比例計数管(MSGC)にて測定するというプロセスの最適化を目指し、測定システムの設計および構築を行った。さらにシンチレータ、光電材料の文献調査や研究者への聞き取り調査を行い、材料の組み合わせの最適化を目指した。その結果、シンチレータに関してはLaF3やBaF2などのフッ化物系材料を用い、光電材料は主として量子効率の面からCsIを用いることとした。量子効率を勘案して発生したシンチレーション光をシンチレータの裏側で電子に変換する透過型の配置とすることとした。また、CsIの化学的安定性、結晶相などを考慮しながらCsIを100nm以下の厚さで基板温度100℃での加熱蒸着により塗布した試料の製作までを行った。また、別途MSGCを利用したパルスカウンティングシステムの構築を行った。
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