2009 Fiscal Year Annual Research Report
紫外発光シンチレータとMSGCによる高分解能PET用新規検出器の開発
Project/Area Number |
20760589
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 薫 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 日本原子力研究開発機構 次世代原子力システム研究開発部門, 研究職 (60401147)
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Keywords | 紫外発光シンチレータ / MSGC / CsI / 放射線検出 / 光電材料 |
Research Abstract |
ガス比例計数管は高い位置分解能1mmを切る高い位置分解能、リアルタイム計測性、シングルフォトンカウンティング能などを有する優れた検出器であり、既に広く使用されている。この検出器は放射線を気体の電離作用を利用して検出するが、一般的には高エネルギーX線が入射した場合、気体の密度の低さのために検出効率が低下する。そこで本研究では、放射線の補捉は固体で密度の高いシンチレータにより行い、信号の取得はガス比例計数管の一種であるマイクロストリップガス検出器(MSGC)を用いることによって、従来の同様のタイプの検出システムに比べ、高位置分解能なリアルタイムガンマ線検出器の実現に向けた研究を行うことを目的とした。 本研究では放射線をシンチレータで光へ、その光を光電材料によって電子へと変換しマイクロストリップガス比例計数管(MSGC)にて側定するというプロセスの実験的検証を目指し、紫外光を電子へ変換する物質としてCsIをシンチレータに真空蒸着したBaF2、Nd : LuLiF4などの紫外発光シンチレータを用いて、放射線の検出試験を実施した。シンチレータに数十~百nmの厚さのCsIを塗布した面の下にMSGCを配置し、シンチレータ上にAm-241の線源を配置した。計数ガスにはAr+CH4の混合ガス用い、ガスフローの状態で試験を実施した結果、CsI塗布面の下に放出された電子を吸収させるためのアルミフォイルの有無で有意な信号の変化が観察された。この結果、考案した方式による放射線検出の基本的な成立性が実証された。今後、本件検出方式による位置分解能の評価などを行う必要がある。
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