2008 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルス電子ビームを用いた高出力テラヘルツ時間領域分光システムの開発
Project/Area Number |
20760601
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黒田 隆之助 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 計測フロンティア研究部門, 研究員 (70350428)
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Keywords | 超短パルス電子ビーム / テラヘルツ / コヒーレント放射 / EOサンプリング法 / 時間領域分光法 / ポンププローブ法 |
Research Abstract |
本研究は、小型電子リニアックにより生成したエネルギー約40MeV程度の超短パルス電子ビームを用いて、そのコヒーレント放射により高出力THzパルスを生成し、EOサンプリング法によるテラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)システムの開発を目指すものである。それにより、レーザーベースの低出力テラヘルツ光源ではこれまで測りえなかった吸収の多い物質の分析や、分析時間の短縮等が期待される。本年度は、主に高出力コヒーレントTHzパルス生成、及びZnTe結晶等のEO結晶を用いたTHz検出のための予備実験を行った。まず、フォトカソードRF電子銃、及び2本の加速管を用いた小型電子リニアックによりエネルギー約40MeV、電荷量1nC以上の電子ビームを生成し、アクロマティックアーク(2個の偏向電磁石と4個の四極電磁石)により1ピコ秒以下のパルス幅(rms)を持つ超短パルス電子ビーム生成を行った。そして、生成した超短パルス電子ビームを、90度偏向磁石を用いて電子ビームの接線方向にテラヘルツ(THz)領域のコヒーレントシンクロトロン放射光パルスを生成した。生成したコヒーレントTHzパルスを、低損失の石英窓によって取り出し、軸はずし放物面鏡を用いて、0.1THz帯の放射光を約6mm程度に集光することができた。更にTHzパルスをEO結晶に集光すると同時に、フェムト秒レーザーをEO結晶にプローブ光として集光し、両者のタンミング測定までを行い、両者のタイミングが十分制御可能であることを検証した。次年度は、EOサンプリング法の実証と実サンプル測定を行う。
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Research Products
(11 results)