2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温太陽熱/水素燃料転換のための内循環流動層反応器の開発
Project/Area Number |
20760603
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
郷右近 展之 Niigata University, 超域研究機構, 准教授 (20361793)
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Keywords | 水素 / 再生可能エネルギー / フェライト / 高温太陽熱 / 流動層 / 水熱分解サイクル / 湿式酸化法 / 反応器 |
Research Abstract |
高温太陽集光熱(~1500℃程度)を水素に転換する「二段階熱化学サイクル」に関する研究開発が急速に活発化している。本研究の目標は、流通ガスの切り替え(N2ガス⇔水蒸気)で2段階水分解サイクルを行う内循環流動層反応器を開発することである。本年度の研究実施計画の項目に従い、得られた主な成果を以下に示す。 ・内循環流動層反応器の改良と反応試験・速度解析 石英窓付きの内循環流動層反応器を用い、大型高出力太陽炉シミュレーターによる2段階反応試験を実施し、反応器の性能評価・改良を検討した。 3灯式太陽炉シミュレータ(Xeアークランプ)による高エネルギーフラックス照射下において、反応粒子の内循環流動層の熱還元-水分解の連続二段階水熱分解反応試験を行った。反応粒子には、単斜晶ZrO2担持NiFe2O4粒子または非担持MFe2O4粒子を用いた。 内循環流動層反応器による熱還元-水分解の連続反応に成功し、各反応ステップ後に反応粒子の粉体の粉砕を行なわずとも、流通ガスの切り替え(N2ガス⇔水蒸気)により水素生成が認められ、ZrO2担持および非担持反応粒子どちらにおいても同程度の水素生成速度が得られた。また、総水素発生量は約1000cm3程度であり、フェライト反応率は5-35%と見積もられた。反応後の反応性セラミックは、粉末状の形態を維持しており、XRD解析によりフェライトの酸化還元反応が流動層中で進行していることが分かった。この結果より、大幅に反応器を改良し,二段階サイクル反応を一段階プロセスとして実施できる画期的な反応器を開発することに成功した。この新型反応器を国内特許として出願した(特願2009-275837)。
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Research Products
(23 results)