2008 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパクを介した新規の温度受容メカニズムの分子神経遺伝学
Project/Area Number |
20770003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久原 篤 Nagoya University, 理学研究科, 助教 (00402412)
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Keywords | 温度受容 / Gタンパク質 / C. elegans / ニューロン / 温度走性 |
Research Abstract |
動物における匂いや光や温度などの感覚受容に関わる分子機構として、光と匂い情報はGタンパク共役型受容体で受容され、温度情報は、TRPチャネル型受容体で受容されることが明らかになっている。本研究では、温度情報伝達に関わる新規の分子メカニズムを明らかにする目的で、線虫C. エレガンスが示す温度に対する応答行動に異常をしめす変異体(eat-16)の解析を行った。eat-16変異体の原因遺伝子は3量体Gタンパク質の抑制因子であるRGSをコードしており、分子遺伝学的解析とカルシウムイメージングによる神経活動測定から、従来嗅覚ニューロンとして知られていたAWCニューロンが温度を感知し、温度情報がGタンパク質を介して伝達されていることを明らかにした(Kuhara, Okumura et al., Science, 2008)。さらに、Gタンパク質が関与する温度受容機構に関わる新たな分子を単離する目的で、eat-16変異体が示す温度走性異常を抑圧する変異体を単離を行った。温度走性変異体RGS eat-16を変異原であるEMS(エチルメタンスルホン酸)で処理し、F2世代の個体の温度走性を測定し、eat-16変異体が示す常に低温へ移動する温度走性異常を抑圧する変異体を単離した。単離された系統のひとつであるnj69変異について、戻し交配を行なった後に、野生株間のゲノムDNAの1塩基多系(SNP)を利用して変異の染色体上の位置のマッピングを行った所、X染色体の1Mbpの領域にマップされた。現在、ハイスループットシークエンサーを用いて変異部位の同定を行っている。
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[Journal Article] Temperature sensing by an olfactory neuron in a circuit controlling behavior of C. elegans2008
Author(s)
Kuhara, A.*, Okumura, M.*, Kimata, T., Tanizawa, Y., Takano, R., Kimura, K. D., Inada, H., Matsumoto, K., and Mori I. (*equally contributed)
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Journal Title
Science 320
Pages: 803-807
Peer Reviewed
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