2009 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸シグナル伝達ネットワーク解明のための新たな解析法の開発
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20770024
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
GOTO Derek Hokkaido University, 創成研究機構, 特任助教 (40419205)
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Keywords | 植物 / 根 / 栄養応答 / 栄養輸送 |
Research Abstract |
本研究の目的は、硝酸塩のレベルによって色度変化を起こす、新らたな硝酸塩濃度蛍光指示薬を開発することである。これは、硝酸塩結合タンパク質と融合する2つの蛍光タンパク質の組み合わせに基づくものである。この度、開発した融合蛍光タンパク質(PNin)は、CFP蛍光タンパク質とYFP蛍光タンパク質を融合させたNrtA硝酸塩結合タンパク質(81-433 amino acid region)を含んでいる。低レベル硝酸塩(100pM)でCFPの励起波長が436nmに至った際、PNin融合タンパク質に485nm(CFP発光波長)と528nm(YFP発光波長)とで発光ピークが2度見られる。これによって、順調にFRETが起きているのが確認されていたが、YFP発光はCFPよりも高く、予測したよりも大きかった。高濃度(320uM)なPNin培養では、軽度のCFP発光低下とYFP発光上昇が見られ、FRETの活動変動(YFP/CFP変動比率1.40/100pMから1.52/320uM)と一致している。NrtAタンパク質は、硝酸塩結合に関わると考えられるアミノ酸残渣W251,Q305,H350P,K423を含んでいる。PNin指示薬を検査し最適化するため、これらの残渣をアラニンに変化させた結果、変異体は、低濃度硝酸塩でYFP/CFP比率を1(1.02~1.12)にまで落とすのに成功した。しかし、硝酸塩濃度が上昇すると改善は見られなかった。植物組織に使用するPNin指示薬の最適化改善は不可欠だが、融合蛍光タンパク質(PNin)は、硝酸塩指示薬のような働きがある可能性が大いに見られ、新たな解析法となった。
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Research Products
(4 results)