2008 Fiscal Year Annual Research Report
光屈性の分子メカニズム解明:青色光受容体フォトトロピンによる小胞輸送制御
Project/Area Number |
20770031
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 友美 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (10362435)
|
Keywords | 植物 / 青色光受容体 / 小胞輸送 / 情報伝達 / 光屈性 |
Research Abstract |
平成20年度は、フォトトロピンを介しだ青色光情報伝達経路と光依存的な小胞輸送制御について明らかにするため、以下の研究を行った。 (1) Arfが関与する分子機構と青色光情報伝達における小胞輸送の役割解明 ・光依存的細胞内局在変化と小胞輸送調節 phot又はArfと蛍光蛋白質との融合遺伝子を植物細胞に導入し、両蛋白質の局在を観察した。その結果、既に報告されていた通りphotは青色光依存的にGolgi体に局在した。今回新たに、Golgi体局在を示すphotの蛍光とARF1の蛍光が一致することが明らかとなった。 ・Arf1の形質転換植物体とArf1遺伝子欠損植物体の生理機能解析 Arf1やArf1のドミナント変異型(GTP又はGDP結合が固定した変異)の過剰発現植物体を作出し、それら植物体の生理機能を解析した。過剰発現することで、成長に著しく影響が出る可能性が考えられたので、誘導型プロモーターによる発現調節を行った。その結果、Arf1のドミナント変異型過剰発現植物体ではフォトトロピン応答が阻害されることが示された。この結果は、phot情報伝達系でArf1が機能しうることを示している。 (2) 青色光情報伝達系に特異的な小胞輸送の解明に向けた解析 ・Arf1と相互作用できないphot変異体の検索とその解析 Arf1特異的に相互作用できないphot遺伝子内た変異を酵母Yeast-Two hybrid法にて取得した。その変異遺伝子を植物体に導入し、細胞内局在及び青色光応答を解析した結果、Arf1がphotの下流で機能することがより詳細に明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)