2008 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥ストレス耐性に関与するOsCMPK1の機能解析
Project/Area Number |
20770037
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐々木 忠将 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 助教 (50432802)
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Keywords | 乾燥ストレス / レセプタープロテインキナーゼ |
Research Abstract |
これまでの研究で、844アミノ酸からなるイネのレセプタープロテインキナーゼ様タンパク質と考えられるOsCMPK1が乾燥ストレス耐性に関与している可能性を示唆するデータを得ている。そこで、この遺伝子の発現量の変動を詳細に定量した。初めに、時期特異的・組織特異的な発現パターンを有しているかを各々の発育ステージのイネの様々な組織を用いて解析を行った。その結果、OsCMPK1は植物体全体で弱く発現していることがわかった。次に、この遺伝子の地上部での経時的な発現変動を調べたところ、昼間に高く、夜間に低くなる光依存的な発現パターンを有していることがわかった。OsCMPK1は乾燥ストレス耐性に関与することが示唆されているので、この発現パターンが乾燥ストレスを与えることでどのように変化するのかを詳細に解析した。その結果、光依存的な発現パターンは乾燥ストレスを与えることで、大幅に崩れることを明らかにした。 また、OsCMPK1の中央部分には膜貫通ドメインと核移行シグナルと考えられる配列が存在しており、全長タンパク質とGFPとの融合タンパク質は細胞膜に局在するが、これらの領域を含まないC-末端のみとの融合タンパク質は核に局在することがわかっている。また、この領域のみを過剰に発現させた組換え体は乾燥に対する耐性を示すことを明らかにしている。これらのことから、OsCMOK1は通常、膜貫通ドメインを介して細胞膜に局在するが、乾燥などのストレスにより構造変化を起こし、C-末端のみが核内へと移行すると考えられた。そこで、核移行シグナルと考えられる配列を含むC-末端を過剰に発現する形質転換体を作製した。これらの形質転換体には顕著な表現型が現れないことがわかった。核移行のメカニズムを詳細に解析するために、様々に断片化したOsCMPK1を用いてルシフェラーゼアッセイを行ったところ、少なくとも全長タンパク質は核へ移行することができないことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)