2009 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥ストレス耐性に関与するOsCMPK1の機能解析
Project/Area Number |
20770037
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐々木 忠将 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 助教 (50432802)
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Keywords | 乾燥ストレス / レセプタープロテインキナーゼ |
Research Abstract |
これまでの研究で、イネのレセプタープロテインキナーゼ様タンパク質と考えられるOsCMPK1が乾燥ストレス耐性に関与している可能性を示唆するデータを得ている。そこで、この遺伝子の発現量の変動を詳細に定量した。その結果、OsCMPK1の発現には時・空間的な発現の特異性はなく、植物体全体で弱く発現していることがわかった。次に、この遺伝子の地上部での経時的な発現変動を調べたところ、昼間に高く、夜間に低くなる光依存的な発現パターンを有していることがわかった。OsCMPK1は乾燥ストレス耐性に関与することが示唆されているめで、この発現パターンが乾燥ストレスを与えることでどのように変化するのかを解析した。その結果、乾燥ストレスにより光依存的な発現パターンは、大幅に崩れることを明らかにした。さらに、この光依存的な発現パターンは低温や塩ストレスによっても崩れることがわかった。 OsCMPK1は中央部分に膜貫通ドメインと核移行シグナルを有しており、全長タンパク質とGFPとの融合タンパク質は細胞膜に局在するが、これらの領域を含まないC-末端のみとの融合タンパク質は核に局在することがわかっている。また、この領域のみを過剰に発現させた組換え体は乾燥に対する耐性を示すことを明らかにしている。これらのことから、OsCMOK1は通常、膜貫通ドメインを介して細胞膜に局在するが、乾燥などのストレスにより構造変化を起こし、C-末端のみが核内へと移行し機能すると考えられた。核移行のメカニズムを詳細に解析するために、様々に断片化したOsCMPK1を用いてルシフェラーゼアッセイを行ったところ、全長タンパク質は核へ移行することができないことを明らかにした。次に、OsCMPK1の標的タンパク質を探索するためにプロテインキナーゼドメインのみを用いてYeast Two-hybridスクリーニングを行った。その結果、このタンパク質のキナーゼドメインと相互作用する因子として、乾燥や低温などに対する応答因子が多数含まれていることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)