2008 Fiscal Year Annual Research Report
SnRK2プロテインキナーゼと相互作用するカリウムトランスポーターの機能解析
Project/Area Number |
20770042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
梅澤 泰史 The Institute of Physical and Chemical Research, 機能開発研究チーム, 研究員 (70342756)
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Keywords | アプシジン酸 / シグナル伝達 / SnRK2プロテインキナーゼ / カリウムトランスポーター |
Research Abstract |
本研究の目的は、シロイヌナズナにおけるABAシグナル伝達の重要な因子であるSRK2E/OST1プロテインキナーゼと相互作用するEIP1およびEIP2の機能を解析することである。 EIP1およびEIP2は互いに相同なタンパク質をコードしており、カリウムトランスポーター用の配列を有している。SRK2Eは気孔の閉鎖を制御する重要なシグナル因子であり、また根や維管束でも発現していることから、EIP1およびEIP2も気孔あるいは根からのK吸収を制御している可能性がある。本年度は、まずEIP1/2の機能を解析するために、ノックアウト変異体の取得を進めた。米国SALK研究所のT-DNAタグラインからeip1およびeip2変異体を単離し、またeip1eip2二重変異体を作成した。これらの変異体の表現型を解析したところ、通常条件下あるいは乾燥ストレス下における蒸散速度にはほとんど変化が認められなかった。したがって、EIP1/2が孔辺細胞で機能している可能性は低いと考えられる。一方,EIP1/2のK吸収における役割を調べるために、eip1/eip2変異体を低K条件下で生育させて根の伸長を観察した。すると、低K条件だけでは野生型と変異体の間に明確な差は認められなかったが、低K+NaC1処理の時には野生型に比べて顕著な耐性を示した。この結果から、EIP1/2は塩ストレス下におけるNa/Kのバランス制御に関与している可能性がある。
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