2008 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングによるオタマボヤ全発生過程の解析
Project/Area Number |
20770046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西野 敦雄 Osaka University, 理学研究科, 助教 (50343116)
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Keywords | 蛍光イメージング / ワカレオタマボヤ / 発生 / 尾索動物 |
Research Abstract |
オタマボヤは、脊索動物の中で最も短時間で、かつ最も少数の細胞から、完全に機能的な体制をつくりあげる。その発生過程において、原腸陥入は受精後約90分後の32細胞期に起こり、3時間後に孵化、10時間後には成体と同じ体制を完成する。本研究は、このオタマボヤの発生の速さと卵の透明性をいかし、ライブイメージングおよび遺伝学的手法を用いて、受精卵から成体にいたるまでの細胞分裂・細胞配置の変化・細胞分化過程を完全に明らかにすることを目指している。 (1) 初期発生過程を、高倍率ノンカバー水浸レンズを用いた微分干渉観察により詳細に検討したところ、初期卵割期胚の後極部に、連続した不等分裂が起こるのに伴って核を引き付ける構造が生じることがわかった。これはホヤ類で観察されているCentrosome Attracting Bodyに類似する。現在、この実体を明らかにするべく研究を進めている。 (2) ワカレオタマボヤからHistoneH2Bを単離し、これにEGFPないしmCherryを融合させたコンストラクトを作成した。この合成mRNAを注入することで、原腸陥入期付近から発生過程を通じて明確に核が蛍光観察可能であることが判明した。現在、どの程度の露光に正常な発生が耐えられるか等の条件を検討している。条件が判明し次第、包括的なデータ取得を行う。 (3) ワカレオタマボヤへのトランスジェニック技術の適用を進めている。特に、卵巣に顕微注入することで一度に大量の卵にDNAを取り込ませる技術を確立した。また注入したDNAコンストラクトから発現を導く条件を決定した。
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Research Products
(2 results)