2008 Fiscal Year Annual Research Report
セン類,タイ類,ツノゴケ類における生活環を通じた細胞分裂様式変遷パターンの解明
Project/Area Number |
20770047
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋村 正樹 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (00432708)
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Keywords | 細胞分裂 / 進化 / コケ植物 / 微小管 |
Research Abstract |
1. 研究のための生鮮試料の収集を行い、オオミズゴケ、ガッサンクロゴケ、ナンジャモンジャゴケなど、セン類の原始的な分類群を代表する種を採集した。これらの種類について研究のための培養株の確立に成功した。 2. タイ類の細胞分裂様式の進化について研究するために、系統的に最も原始的と考えられているコマチゴケを材料として選定し, 植物体の茎頂における細胞分裂様式を観察した。コマチゴケの植物体の茎頂付近の細胞では, 陸上植物で典型的にみられる細胞周期の進行に応じた微小管系の変遷がみられた. 紡錘体形成時には他の苔類と同様の中心体様の構造(極形成体)がみられ、紡錘体のMTOCとして機能していた。間期の細胞には表層微小管系が存在し、前期の進行に伴い核を取り囲むように分裂準備微小管帯(PPB)が形成された。この時期には, 極形成体をもつ前期紡錘体とPPBが同時に存在する. 紡錘体の極性(核分裂軸)が極形成体の出現により先に決定し, 続いて細胞質分裂面が決定しているようにみえる. 終期には, 陸上植物に典型的なフラグモプラストと放射微小管系がみられ, 細胞板が遠心的に発達することで細胞質分裂が完了する. 陸上植物の派生形質の1つとされるPPBが苔類の最も初期に分岐した分類群でもみられることは, PPBが陸上植物の進化のかなり早い時期に, 配偶体世代で獲得されたことを示唆する. また, これまで苔類にのみ観察されている極形成体が原始的なタイ類の分類群でみられたことから, 極形成体は苔類に一般的なMTOCであると考えられた。
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[Presentation] 陸上植物γ-チューブリンのアミノ酸配列変化と機能変遷2008
Author(s)
宮本裕子, 山内大輔, 久野亮太, 中井朋則, 二村典宏, 篠原健司, 新免輝男, 嶋村正樹, 紅朋浩, 堀尾哲也, 峰雪芳宣
Organizer
日本植物学会第72回大会
Place of Presentation
高知市
Year and Date
2008-09-27
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[Presentation] 分裂酵母における相補性から見た緑色植物γ-チューブリンの機能変遷2008
Author(s)
宮本裕子, 山内大輔, 久野亮太, 中井朋則, 二村典宏, 篠原健司, 新免輝男, 嶋村正樹, 紅朋浩, 堀尾哲也, 峰雪芳宣
Organizer
日本植物形態学会第20回大会
Place of Presentation
高知市
Year and Date
2008-09-24
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