2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770048
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
曽我 康一 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 講師 (00336760)
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Keywords | 重力 / 植物ホルモン / 成長方向 / 表層微小管配向 / チューブリン / 微小管結合タンパク質 |
Research Abstract |
植物は重力の大きさに応じて、表層微小管の配向を変化させることにより、茎の成長方向を調節している。γ-チューブリン複合体(TUBG、Spc98p(GCP3))および、カタニン(KTN1)の遺伝子発現は重力環境が変化すると、一過的に増加する。また、MAP65-1遺伝子の発現は、過重力により低下する。これらの遺伝子の発現変化が重力による微小管の配向変化に特異的な反応なのか、または、微小管の配向が変化する際には常に起こる普遍的な反応であるのかを調べるために、植物ホルモンによって微小管の配向が変化する際のγ-チューブリン複合体、カタニン、ならびにMAP65-1遺伝子の発現を解析した。まず、暗所で生育させたアズキ芽生えを植物ホルモン(エチレン、ジベレリン、アブシジン酸、サイトカイニン、ブラシノライド、オーキシン)で処理をし、表層微小管の配向の経時変化を詳細に解析した。また、アズキでは、オーキシンのみで処理を行ったときには、微小管の配向はほとんど変化しないが、ジベレリンやブラシノライドが共存するとオーキシンによって微小管の配向が変化することが知られている。そこで、ジベレリンとオーキシンなど2種の植物ホルモンで処理をしたときの微小管の配向の経時変化も詳細に解析した。次に、得られた微小管配向の経時変化の結果をもとに、γ-チューブリン複合体などの遺伝子の発現を解析した。その結果、植物ホルモンによって微小管の配向が変化する際にも重力の場合と同様にγ-チューブリン複合体などの遺伝子の発現が変化することが示された。
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