2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770048
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
曽我 康一 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 講師 (00336760)
|
Keywords | 重力 / 植物ホルモン / 成長方向 / 表層微小管配向 / 微小管結合タンパク質 |
Research Abstract |
植物は重力の大きさに応じて、表層微小管の配向を変化させることにより、茎の成長方向を調節している。γ-チューブリン複合体(TUBG、Spc98p(GCP3)および、カタニン(KTN1)の遺伝子発現は重力環境が変化すると、一過的に増加する。また、MAP65-1遺伝子の発現は、過重力により低下する。これらの遺伝子の発現変化が重力による微小管の配向変化に特異的な反応なのか、または、微小管の配向が変化する際には常に起こる普遍的な反応であるのかを調べるために、植物ホルモン(エチレン)や加齢によって微小管の配向が変化する際のγ-チューブリン複合体、カタニン、ならびにMAP65-1遺伝子の発現を解析した。まず、暗所で生育させたアズキ芽生えをエチレン(ACC)で処理をし、伸長領域での表層微小管の配向の経時変化とTUBG、GCP3、KTN1、ならびにMap65-1の遺伝子発現を解析した。その結果、エチレンによって微小管の配向が横向きから縦向きに変化する際にも重力の場合と同様にTUBG、GCP3、KTN1の発現は一過的に増加した。また、MAP65-1遺伝子の発現も重力の場合と同様にエチレンによって低下した。次に、加齢の影響を解析するために、上胚軸の先端から下部に向かって微小管の配向を解析した。その結果、先端から下部に向かって、微小管の配向は横から縦へと変化した。このとき、MAP65-1遺伝子の発現は、先端から下部に向かって低下した。以上の結果から、γ-チューブリン複合体、カタニン、ならびにMAP65-1遺伝子の発現変化は、重力特異的な反応ではなく、微小管の配向が変化する際には常に起こる普遍的な反応であるの可能性が高いことが示された。
|