2009 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミンを指標とした、葉緑体とミトコンドリアの分裂装置の起源に関する解析
Project/Area Number |
20770050
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮城島 進也 The Institute of Physical and Chemical Research, 宮城島独立主幹研究ユニット, ユニットリーダー(独立主幹研究員) (00443036)
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Keywords | 細胞内共生 / 細胞質分裂 / ダイナミン / 葉緑体分裂 |
Research Abstract |
エネルギー変換を担う細胞内小器官、ミトコンドリア及び葉緑体は、それぞれ、アルファープロテオバクテリア及びシアノバクテリアの細胞内共生体を起源としており、真核細胞内で分裂によって増殖する。これまでの研究により、両オルガネラの分裂装置が、FtsZリングを中心とする共生シアノバクテリアの細胞分裂装置の一部と、色素体/ミトコンドリア分裂リング(PD/MDリング)、ダイナミンリングなどの宿主細胞によって加えられた装置の複合体であることを示してきた。 ダイナミンファミリーに属するタンパク質は、それぞれが真核細胞の異なるオルガネラ、膜系の分断、融合に関与することが知られている。前年度の研究により、葉緑体分裂用のダイナミンが、真核細胞の細胞質分裂に関与するダイナミンから派生して生じたことが示唆された。 今年度はミトコンドリア分裂用のダイナミンの起源を調べるために、真性粘菌のDymAタンパク質の機能解析を行った。dymA遺伝子破壊株の表現型解析及び、DymAタンパク質の細胞内局在解析を行った結果、DymAが細胞質分裂とミトコンドリア分裂の両方に必須であり、細胞質分裂の分裂溝及びミトコンドリアの両方に局在することが判明した。本研究の結果、細胞内共生によって生じた葉緑体とミトコンドリアの分裂装置が、共生バクテリアの分裂装置の一部と、宿主真核細胞の細胞質分裂機構の一部が融合することによって進化したことが示唆された。
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Research Products
(5 results)