2008 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒非回折レーザービームを用いた低倍率・超広視野2光子蛍光顕微鏡の開発
Project/Area Number |
20770051
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
深野 天 The Institute of Physical and Chemical Research, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (80373364)
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Keywords | 2光子蛍光顕微鏡 / フェムト秒レーザー |
Research Abstract |
本研究の目的は、低倍率・広い視野を観察可能とする2光子蛍光顕微鏡を開発することである。 本年度は、このための基礎実験を主に行い、装置開発のために必要な基礎データの取得を行った。測定サンプルとしてポリメチルメタアクリレート(PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)等の高分子樹脂内にクナリン等の蛍光色素を分散し固化させたものを用いた。フェムト秒レーザー(スペクトラフィジクス社Tsunami、中心波長800nm、パルス幅〜100fs)からのフェムト秒パルス光を円錐形状のレンズ(アキシコン)に入射し、上記サンプル内で直線状に伸びるレーザービーム(非回折ビーム)を形成させ、その直線上の領域において2光子蛍光を発生させることを試みた。2光蛍光を観察するために、上記直線上のビームに対して正対および直行する方向からレンズによってCCDカメラ上に拡大して結像させた。この結果、弱いながら直線上に2光子蛍光が発生していることが確認できた。しかし、発生した2光子蛍光は予想していたより弱かった。この原因としては、(1)サンプル内で形成されているレーザービームの波面が乱れているためビームが十分に収束されていない、(2)アキシコンなどのガラスを通ることによりフェムト秒レーザーのパルス幅が伸びピークパワーが低下しまっている、ことが考えられる。(1)に関しては、波面センサーにより、レーザービームの波面をモニターし、2次元液晶空間光変調器によりレーザービームの波面を整形させ、綺麗な非回折ビームを発生させることを試みている。また、(2)に関しては、レーザーのパルス幅を測定するためのオートコリレーターおよびパルス幅を変化させるプリチャーパーを作成中である。また、これらと平行して、サンプルおよびビームを走査するための2次元電動ステージを導入し、これを制御するソフトウェアを作成している。
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