2010 Fiscal Year Annual Research Report
単離培養GnRHニューロンを用いたペプチド開口放出動態の細胞生理学的解析
Project/Area Number |
20770054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 秀樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90396804)
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Keywords | GnRH / ペプチド / 開口放出 / イメージング / 細胞培養 / 遺伝子導入 / 生理学 / 神経科学 |
Research Abstract |
GnRHニューロンの開口放出調節メカニズムを分子・細胞レベルで解析するために、前申請仮題機関において確立に成功した終神経GnRHニューロンの単離細胞培養系を使用して、単一GnRHニューロンの細胞各所におけるGnRH開口放出の調節メカニズムをリアルタイムかつ特異的に検出するために、GFP改変蛍光タンパク質とGnRHとの融合タンパク質などのプローブ遺伝子を特定の培養GnRHニューロンに単一細胞エレクトロポレーション法を用いて導入し、それらの蛍光変化による解析を行った。 本年度は、シナプス小胞構成タンパク質の一種、シナプトフィジンとEGFPの融合タンパク質を導入した例では、細胞体とバリコシティにおいてEGFP蛍光がGnRHを含む有芯小胞とは共局在せずに点状に集中分布し、バリコシティ内外へ出入りする様子をタイムラプス観察することに成功した。一方開口放出に伴い蛍光強度が増大する改変GFPと小胞構成タンパク質の融合タンパク質であるSynaptopHluorinを導入したニューロンでは、細胞興奮性の増大により、神経突起末端・途上では持続性に蛍光強度が増大したが、細胞体では一過性の蛍光強度増大が起こることが明らかとなった。 今年度の研究により確立した蛍光タンパク質による開口放出現象解析と、炭素繊維電極を用いた電気化学的GnRH開口放出測定法、ならびに活動電位波形による電位固定法を組み合わせることで、単一ペプチドニューロンにおける興奮分泌連関を定量的に解析可能な実験系の構築が完成した。
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